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「時価総額でアメリカ超えか」米国のGAFAと中国のBATHを比較

アメリカと中国の貿易摩擦のイメージ

デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む多くの日本企業の目標でもあるアメリカIT企業群「GAFA(ガーファ)」。時価総額は世界ランキングの上位を総なめにしており、その勢いは留まるところを知らない。その一方で、中国IT企業群「BATH(バース・バス)」が続々と企業価値を上げ、GAFAを追い上げているという。時価総額を軸に中国のBATHとアメリカのGAFAの比較やIT業界の実情をまとめた。

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気になるGoogleの時価総額!アメリカ「GAFA」の時価総額一覧

時価(株価のその日の市場での価格)に、発行済みの株式数を掛けた総額である時価総額。企業の業績や今後の成長見込みを反映しており、企業価値をはかる指標とされている。まずは世界を牽引するアメリカのIT企業群GAFAの時価総額から見ていこう。
GAFAとは、Google、Amazon、Facebook、Appleの巨大IT企業4社の略称で、2021年2月時点でおおよその時価総額は以下の通りだ。

<アメリカのGAFA・4社の時価総額>

企業名 時価総額(ドル) 時価総額(円)
Google(グーグル) 1兆387億ドル 約109兆円
Apple(アップル) 2兆3100億ドル 約243兆円
Amazon(アマゾン) 1兆210億ドル 約107兆円
Facebook(フェイスブック) 7580億ドル 約79兆円

Appleの時価総額は日本円にして200兆円を超えるなど、GAFAはいずれの企業もアメリカ屈指の時価総額を誇っている。

GAFAに迫る!中国IT企業群「BATH」の時価総額一覧

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アメリカのIT企業が並ぶ世界時価総額ランキングに近年食い込んでいるのが中国のIT企業群「BATH」である。Baidu(バイドゥ)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)、HUAWEI(ファーウェイ)の4社の頭文字をとった略称で、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深セン経済特区を拠点としている。

2021年2月時点での時価総額は以下の通りだ。

<中国のBATH・4社の時価総額>

企業名 時価総額(ドル) 時価総額(円)
Baidu(バイドゥ) 880億ドル 約9兆円
Alibaba(アリババ) 7220億ドル 約75兆円
Tencent(テンセント) 9028億ドル 約95兆円
HUAWEI(ファーウェイ) 非上場 非上場

BATHはGAFAに遜色なく高い時価総額を得ていることがわかる。

米中IT企業が上位を独占する世界時価総額ランキング

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2021年1月時点では、世界時価総額ランキングの1位がApple、4位Amazon、5位Alphabet(Googleの親会社)、6位Facebook、7位Tencent、9位AlibabaとGAFAは世界時価総額ランキングのトップ10に君臨しており、BATHもまた食い込んでいる。

さらにGAFAにMicrosoft(世界ランキング3位)が加わると「GAFAM」と呼ばれ、2020年にはGAFAMの時価総額(約560兆円)が東京証券取引所1部上場企業・約2170社の総額(約550兆円)を上回り、話題となった。ちなみにGAFAMはガーファムという読み方をする。

世界時価総額ランキングの上位は、サウジアラビアの国有石油会社であるサウジアラムコ(2位)を除くと、アメリカと中国のIT企業が約8割を占めているのである。

Tik Tokが脅威ー米中の競争が激化するテック業界

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世界ランキング上位に乗り込む中国のBATHとは一体どのような企業なのか。それぞれの特徴をみていこう。

Baidu(バイドゥ)は中国のインターネット検索エンジン「Baidu」やオンライン広告サービスを提供。
Alibaba(アリババ)はECサイト「タオバオ」や小売業者向けプラットフォーム「Tモール」などを電子商取引を運営し、AmazonやGoogleなど大企業がひしめくパブリッククラウド市場おいてシェア3位を獲得している。
Tencent(テンセント)はSNSメッセージアプリ「We chat」を運営し、10億人を超えるユーザー数を誇っている。
HUAWEI(ファーウェイ)は中国最大の通信機器メーカーで、非上場ながら中国国内で屈指の売上高を誇る。

なぜこの4つのIT企業が他と比べても成長スピードが速いのかー。その要因といわれるのが、BATHの拠点となる広東省深セン市だ。深セン市は中国改革開放政策の一環として中国初の1980年に経済特区に指定されており「イノベーション先進都市」として世界中の注目を集めている。貿易しやすい海沿いで、スタートアップ企業や大企業が集積。新しい製品やサービスがどんどん生まれ、いつしか「アジアのシリコンバレー」と呼ばれるほどの成長をととげた

また企業間の交流も盛ん。HUAWEI以外は徒歩圏内にオフィスがあることから、イノベーション志向の高い人材が多く集まり、社員間の競争が激しいことから、新しい技術が生まれやすい環境だという。

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こうした中国IT企業の急激な成長により、アメリカと中国間には軋轢が生じることになった。2019年にトランプ前大統領は、国家安全保障上のリスクがあるとされる企業が製造する通信機器の購入を禁じる大統領令に署名。2020年にはアメリカのFCC(連邦通信委員会)がHUAWEIを「国家安全上の脅威」に認定し、HUAWEIに対して半導体の輸出規制やアメリカの技術やソフトウェアを使用する際には、アメリカ商務省の許可を義務づける制裁を行っている。

BATHに限らず、アメリカ政府は中国のIT企業に厳しい目を向けている。コミュニケーションアプリ「WeChat(ウィーチャット)」を運営するTencentとの取引を禁止する大統領令の発令や、動画投稿アプリ「Tik Tok(ティックトック)」を運営するByteDance(バイトダンス)に対して「安全保障上のリスク」があるとしてアメリカ事業の売却命令を出し、国防省は同アプリの潜在的な脅威について米国軍関係者に注意を促した。

2021年に就任したバイデン大統領から商務長官に指名されたジーナ・レモンド氏は、HUAWEIなどの中国IT企業に対して「あらゆる措置を行う」と今後も厳しく対応する方針を明らかにした。

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社会実験を許容する政府のスタンスなど中国にはIT企業が急成長できる強みがあり、今後AI5Gといった先端技術分野で米中の覇権争いは激化すると見られている。アメリカのGAFAだけではなく、中国のBATHの動向も注目しておきたい。

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