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「DXとの違いは何?」初心者のためのデジタルシフト入門編【用語解説】

さぁ、今日もDXに関する用語の解説をしていくよ。今回取り上げるのは「デジタルシフト」という言葉だよ。デジタルトランスフォーメーション(DX)とも近しい言葉で混同している人もいるかもしれないね。デジタルシフトとは何なのか、DXとの違いはどのような部分なのかなど具体例を挙げながらわかりやすく解説するので、一緒に見ていこう。

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デジタルシフトとは?

デジタルシフトとは、社会全体がデジタル化することで、生活や社会をより便利にしていくという考え方のことだよ。とくにビジネスシーンでよく使われる言葉で、あらゆる企業活動のデジタル化を推進するという意味で使われる事が多いんだ。企業活動というのは、経営やマーケティング、人材採用・教育、生産、ビジネスモデルなどの幅広い事柄を指すよ。

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たとえば紙の書類をPDF化したり、アナログで管理していたタイムカードから勤怠管理システムを導入したりして業務を効率化することもデジタルシフトの一例なんだ。

デジタルシフトができるかどうかは企業にとって重要なことで、デジタルマーケティング事業を展開する株式会社オプトなどを有するデジタルホールディングスが実施した「企業のデジタルシフトに関する調査」では、回答者の半数以上がデジタルシフトの意識が低い経営者の元で働きたくないと答えていて、人材定着や採用の面においても大切な要素になってきているよ。

新型コロナウイルスの影響で、デジタルシフトが進んでいる企業はリモートワークにもスムーズに対応できたけど、そうではない企業は捺印や電話番のために出社しなくてはならなくて、従業員を感染から守れないとSNS上で批判の声が上がっていたのは記憶に新しいよね。デジタルシフトは今後の企業生命に関わるといっても過言ではないかもしれないよ。

デジタルシフトとDXとの違いは?

デジタルシフトと似ている言葉にデジタルトランスフォーメーション(DX)があって、違いがよくわからないという人も多いよね。

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デジタルシフトはアナログな業務やサービスをデジタル化するものだけど、DXは単なるデジタル化ではなくて「デジタル技術を活用して産業構造やビジネスモデルを変革すること」という概念で、DXの方が広い意味合いで使われているよ。どちらもデジタル化することに変わりはないから、区別をつけずに使われている場合も多いようだね。

なぜデジタルシフトが必要なの?

では、どうしてデジタルシフトが必要なのか、その理由を解説していくよ。

まず第一に「消費者の変化」があるね。スマートフォンやパソコン、タブレットが普及して、ネットショッピングなど消費行動もオンライン上で行われることが増えたよね。だから顧客との接点を増やしていくためにもデジタルシフトが必要なんだ。

それからデジタルシフトは「業務の効率化」にもつながるよ。RPAやチャットツールなどのデジタルツールを導入して、アナログな業務をデジタル化することで生産性の向上や残業時間の短縮などが期待されているんだ。少子高齢化による人材不足に悩む企業にとって、人手不足の課題解決にも役立ちそうだね。

AIIoTなど日々進歩する最新のデジタル技術を活用することは、消費者のニーズをうまくとらえた新たなビジネスモデルの創出につながるしね。

デジタル化を進める流れは社会全体で起きているもので、政府は2021年9月には新たな省庁としてデジタル庁を設置する予定だよ。各省庁のデジタル化や行政手続きのオンライン化を推進するのが目的なんだ。

デジタルシフトに成功した企業の事例を教えて

ここからは実際にデジタルシフトによって成功している企業の事例を紹介していくよ。

大手飲料メーカーのキリンは2014年にデジタルマーケティング室を設置して、デジタルシフトに注力しているんだ。主力商品であるキリンレモンの宣伝において、これまでメインだったテレビ広告から動画プラットフォームに軸足を移して、データを活用してターゲットである20〜30代の男女に刺さるアーティストを選定するなどデジタルシフトしたマーケティングを行っているよ。

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ブランドリユース大手のコメ兵は、ブランド品の真贋鑑定にAIを活用したり社内のコミュニケーションにチャットツールを導入したりして、業界内でもいち早く業務効率化を実現しているんだ。

フランスの化粧品ブランドのゲランは、広告をデジタルシフトしているよ。以前は雑誌広告が中心だったけど、動画を配信したりSNSでキャンペーンを行ったりして雑誌広告だけでは届かなかった新しい購買層にリーチしているんだって。

デジタルシフトをサポートする企業も登場していて、前述のデジタルホールディングスは企業のデジタル活用を支援する新会社「デジタルシフト」を2020年4月に設立しているよ。

デジタルシフトに必要な3つの考え方とは?

デジタルシフトが大切なことはわかったけど、デジタルシフトを実際に自社に導入するにはどうしたらいいのかな?最後にデジタルシフトに欠かせない3つの考え方を紹介するね。

まずは「To−Be発想」だよ。To-Be発想は、将来のなりたい姿を想像して今やるべきことを考える戦略のことなんだ。今だけではなく、未来の自社の姿を想像することでデジタルシフトを進めやすくなるんだよ。

次に「ターゲティング」も大切だよ。自社の社員のデジタルスキルや取引先のデジタル化状況をしっかりと把握することが重要なんだ。いきなりすべてをデジタル化しても、ついていけない社員がいるとかえって非効率になってしまうよね。デジタル化が必要な箇所を明確に見極めながらデジタルシフトしていこう。

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最後は「改善を重ねる姿勢」だね。デジタルシフトしても、いきなり何もかもうまくいくケースは少ないよ。逆に新たな課題が見つかることだってある。そんなときに課題を見逃さずにきちんと対応して改善を重ねていくことが成功の秘訣だよ。

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