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「大きなメリット3つ」国がお墨付きを与えるDX認定制度とは【用語解説】

さぁ、今日解説する用語は「DX認定制度」だよ。日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために、国が2020年に新しく設けた制度だよ。株式市場で最近注目が集まる「DX銘柄」にエントリーするための応募条件にもなっているんだ。「DX認定」を受けることで、企業にどんなメリットがあるんだろう。今回もわかりやすく解説していくよ。

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DX認定制度とはどんな制度?

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DX認定制度とは、「DXの準備が整っている企業」と国がお墨付きを与える制度のことなんだ。経営者の意識変革を促して、DXを推進することが狙いにあるんだよ。

DX認定を受けた企業とは、ビジョンの策定や戦略・体制の整備をすでに行っていて、「企業がデジタルによってビジネスを変革する準備が整っている」(=DX-Ready)と認められた事業者を指すよ。新しいビジネスモデルを生み出していたり、経営変革できていたりと、DXで結果を出せているかどうかは関係ないというところがポイント。

詳しいことを付け加えると、国が2020年5月に施行した「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」がベースになっているんだ。この法律を基に、経営者に求められる企業価値の向上のために実践すべきことを「デジタルガバナンス・コード」としてまとめてある。このコードは、経営ビジョンや戦略、ガバナンスシステムなど6項目に分かれていて、この項目がDX認定制度でも当てはめて考えてあるんだよ。

DX認定を受けるメリットとは?

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DX認定を受けると、どんなメリットがあるんだろう。一緒に整理してみよう。

(1)DX推進のお墨付きをもらえる DXを推進する準備ができている、ということを対外的にアピールできるよ。認定企業は経済産業省などを通じて発表されるだけじゃなくて、顧客や株主などのステークホルダーに対しても、自分たちはDXに意欲的だよと伝えることができるね。
(2)DX銘柄に応募できる 国が選定する「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄」に応募できるよ。DX銘柄というのは、DXで優れた結果を出している企業のことだよ。経産省と東京証券取引所が選定しているんだ。DX認定と比べると、「実績を出している」ところが大きく違うね。いわばDXの「先進企業」の証と言えるし、DX認定に比べてレベルが高いイメージ。DX銘柄は株式市場でも投資家が注目するトピックになってきているけど、まずはDX認定制度を受けることが応募の必須条件となっているんだ。
(3)税額控除を受けられる 2021年夏に、ソフトウェア投資に対して最大5%税額控除される「DX投資促進税制」が新しく創設される予定なんだ。この税控除を利用できる条件が、DX認定制度を受けていることになっているんだよ。

DX投資促進税制は、DXに必要なクラウドシステムなどのソフトウェアや関連するハードウェアの投資に対して3%もしくは5%控除されるか、30%の特別償却ができるんだ。

経産省のDXレポートでは、「2025年の崖」という表現で、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムを刷新しなければ、デジタル競争の激しい国際社会では生き残れず、日本経済では大きな損失を招くと指摘していたね。DXを阻害する要因となっているレガシーシステムの刷新を促す狙いが国にはあるんだよ。

DX認定制度は誰でも応募できる?申請期限はいつまで?

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DX認定は、どんな企業でも応募が可能だよ。対象者は、法人と個人事業者であればOK。法人は会社だけじゃなくて、公益法人なんかも含まれているよ。経産省は大企業だけでなく、日本経済を支ええる中小企業にも積極的に応募してほしいと思っているんだ。

DX認定要件も確認しておこう。認定されるには、DX‐Readyな企業であるかどうかが基準。申請書類には「デジタル技術が自社の競争環境にどんな影響があるのか」「経営ビジョンはどんなものか」「ビジネスモデルの方向性を示しているか」など、デジタル社会における経営ビジョンを問うものがあるよ。そして、それを実現するための「戦略」「組織づくり・人材確保」「ガバナンスシステム」などに関する説明が必要なんだ。

気付いている人も多いと思うけれど、現場のDX担当者だけ書けるものではないよね。つまり、経営者に対する問いかけになっていると言ってもいい。「あなたの会社は、デジタル競争社会でどんな価値を提供し、そのためにどう変革していくんですか」って。

申請の流れも押さえておこう。申請はウェブから1年中いつでもOK。DX認定制度のホームページから申請書をダウンロードして記入後、申請するんだ。認定基準や必要な準備については「申請のガイダンス」に細かく記載してあるから、熟読しよう。申請先は経産省の外郭団体である独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」。IPAが審査した後に経産省が認定する流れになっているよ。

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認定企業の一覧を公開、自社のDXのヒントにも

DX認定企業は、現在は100社を超えているよ(※2021年5月末現在)。認定企業の一覧は「DX 推進ポータル」で見ることができる。しかも、各企業の申請書類を見ることができるんだ。

各企業の事例や参考資料を見ると、申請書の書き方だけじゃなく、DX時代の経営者たちは時代をどんな風に捉えて、どんなビジネスモデルを描いているのか、考えるヒントになりそうだ。ぜひ一度、DX認定制度の認定基準と合わせてチェックしてみてね。

国はDX推進するための支援制度を手厚くしているね。それだけ日本企業のDXが遅れているという危機感の現れなんだ。ただ、違う見方をすれば、日本全体のDXを推し進めるチャンスでもあるということだね。

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