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「DXとデジタル化、IT化の違いって?」今更聞けないDXの定義を徹底解説!

近年さまざまな企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めているが、DXとは何かわかるようでわかっていないという声も多い。本記事ではDXとは何か、またDXとデジタル化、IT化ではどのような違いがあるのかについてわかりやすく解説する。

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7割の管理職がDXとデジタル化、IT化の違いがわからない

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大企業向けのクラウドサービスを提供する株式会社ドリーム・アーツが大企業の管理職1000名を対象に実施したアンケート調査によると、7割以上の管理職がDXとデジタル化の違いが説明できないと回答したという。とくに役員クラスや部長クラスの管理職に比べて、係長など現場に近い中間管理職ほど理解度が低く、約8割が説明できないという結果が明らかとなった。

また、DXに取り組む企業において3割の社員が自社のDXがどのような内容か、進捗状況などについてよくわかっていないという結果もあり、DXに取り組んでいるものの、DXそのものへの理解は進んでいないのが現状である。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

ここで改めてDX(Digital Transformation)の定義について解説したい。最初にDXという概念を提唱したのは、2004年にスウェーデンにあるウメオ大学のエリク・ストルターマン教授が発表した論文にあるといわれている。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に進化させる」として、DXによって情報技術と現実が少しずつ溶け合って結びついていくと主張した。

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当初は学問的な用語として生まれたDXであるが、その後はよりビジネス的な側面を持つ用語として、その定義や解釈が語られるようになっていく。その一つとして、2018年に経済産業省が発表した「DX推進ガイドライン」では、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」であると定義された。

つまりDXとは、デジタル技術を活用して従来のビジネスや生活を変革し、社会全体に新たな価値をもたらすものという意味である。

政府主導でDXを推進する背景には「2025年の崖」の存在がある。2025年までに企業のデジタル化が進まなければ年に12兆円もの損失を生むと予測されているもので、国際社会のなかで競争力を失わないためにも、日本全体でDXの推進が急務だと認識されている。

国はDXを進めるために、2018年に「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を発足してDX人材不足やブラックボックス化している既存システムへの対策を講じたり、自社のDXの遅れを自己診断できる「DX推進指標」や業種に関わらず利用できる「IT導入補助金」などを設けてDX推進に向けた取り組みを行っている。

デジタル化は「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」に二分化

一方、デジタル化とはこれまでアナログで行っていた業務をデジタルに置き換えて、効率化を図ることである。デジタル化は「デジタイゼーション(Digitization)」と「デジタライゼーション(Digitalization)」の2つに細分化することができる。

デジタイゼーションとは部分的なデジタル化を指し、手入力していた作業を自動化(RPA)することや、紙の書類からデジタル資料に変えるペーパーレス化などがこれに当たる。それに対して、デジタライゼーションは、デジタル技術を活用して業務の最適化を行いビジネスモデルの変革を行うものである。

たとえば、ある企業がこれまで対面で行ってきた営業活動をオンラインツールを利用してオンライン営業に切り替えたとする。オンラインツールの導入がデジタイゼーションに当てはまり、オンラインツールを利用することで蓄積された営業データを分析して業務改善を行うことがデジタライゼーションとなる。

DXとデジタル化、IT化の違いとは

DXとデジタル化、IT化の違いを簡単にまとめると下記のようになる。

デジタイゼーション:部分的なデジタル化による効率化、生産性の向上

デジタライゼーション:全体的なデジタル化によるビジネスの変革

IT化:情報を活用すること(コンピュータを使用するとは限らない)

DX:デジタル技術の活用で、企業の枠を超え生活や社会に大きな影響を及ぼすもの

とくにデジタライゼーションとDXは混同されやすいが、デジタライゼーションはDXを遂行する過程の一つであり、デジタイゼーション→デジタライゼーション→DXと段階的に進めていくことが推奨されている。

DXの成功事例をわかりやすく紹介

では、生活や社会に影響を及ぼすようなDXにはどのような事例があるか見ていこう。

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DXに成功した代表的な企業といえば、アメリカのNetflixが挙げられる。もともとは1997年に設立されたDVDの宅配サービス会社であったが、デジタル技術を活用して独自のプラットフォームを構築して、サブスクリプション型の動画配信サービスという新たなビジネスモデルを生み出した。今では有料会員数が2億人を超え、動画配信サービスの王者と呼ばれている。

また、「家庭教師のトライ」で知られる日本最大手の家庭教師事業を行うトライグループは、2015年から映像学習サービス「TryIT」を開始した。従来は教師と生徒が教室で対面することでしか学べなかった教育事業を、スマートフォンやタブレット端末を利用することで、映像授業をいつでもどこでも受けられるという新たな様式を生み出し、オンライン学習サービスの先駆けとなった。とくにスマートフォンを振ることで質問ができる機能や教育格差を是正するために無料で利用できる点が画期的で注目を集めている。

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いずれの企業もDXの本質を理解し、デジタル化を手段としてDXを成功へと導いている。いきなりDXは難しいと足踏みする企業もデジタイゼーションからデジタライゼーションへ段階を踏み、自社のDXを推進してみてはいかがだろうか。

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