「えっこれも?」身近なDXを見える化して見えた5つの事例
「DXって、何?デラックスってこと?」なんていう人もまだまだ多い日本では、DX=デジタルトランスフォーメーションという認識を持てていない人も少なくない。現状、ビジネスの会話でしか登場しない言葉だが、実は私たちの身近にもさまざまなDXの恩恵を受けている。普段の生活に照らし合わせながら、身近なDXについて考えてみよう。
目次
「DXって何?」に答えられない人の方が多い現状
生活者起点のリサーチやマーケティング支援を行う株式会社ネオマーケティングが2020年9月4日から4日間、18歳以上の正社員・公務員の男女1000人を対象に「DXの取り組み」をテーマにした調査結果を発表した。これによると「『DX』という言葉を知っているか」との問いに対し、64.3%が「全く知らない」と答えたことが判明。経済産業省が「2025年の崖」として警鐘を鳴らし、国家レベルで注目されているDXだが、いまだ認知度が低いのが現状だ。
しかし、DXとは「進化し続けるデジタル技術を生活に浸透させることで、人々の生活をより豊かなものへと変換する」という意味がある。つまり、ビジネスだけではなくDXを取り入れることで日常にも大きな変革が起こり得るのだ。そこで今回は、私たちが1日の中でどれだけDXに触れる機会があるのかを紹介。あなたが何気なく使用しているサービスも実はDXなのかもしれない。
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身近なDX事例:朝の時短を助ける「AI家電」
朝はニュースや今日の天気など、チェックしたいことがたくさん。しかし身支度でそんな余裕はない。そこで活躍するのがAI家電だ。例えば、Googleの「Google Home(グーグルホーム)」やAmazonの「Alexa(アレクサ)」といったスマートスピーカーは「ニュースを読んで」「今日の天気は?」と音声で操作をするだけで必要な情報を読み上げてくれる。セットしておけば目覚ましの音楽を鳴らしてくれ、子どもに「そろそろ着替えましょうか」とリマインドの声をかけ、忘れ物チェックの呼びかけや「行ってらっしゃい」までしてくれる。
また、材料と調味料を入れてセットするだけでできたての料理が完成する調理家電も各社から多数発売されている。前の晩に予約して朝食のスープを作っておいたり、帰宅時に晩ごはんができあがるように朝予約をしておいたりするなど、楽しみながら家事の時短ができそうだ。
さらに、ロボット家電の先駆け「ルンバ」は家を出る前にセットすれば掃除機をかけてくれるため、掃除の時間を大幅に削減できる。曜日や時間帯でルーティン予約をしたり、Wi-Fiを介してスマホからも操作できたりするので、出先でどこを掃除したかもすぐに分かるのだ。このように、デジタル技術を生活に浸透させることで、人々の生活がより豊かになる=DXは料理や掃除などの家事を私たちの手足となって代行し、朝のストレスを軽くしてくれるのだ。
身近なDX事例:通勤や旅行など目的地への移動を
便利にする「タクシー&シェアサイクル」
移動手段として公共交通機関や車以外を使う人もいるだろう。「Uber Taxi(ウーバータクシー)」や「DiDi(ディディ)」なら、アプリを使って自宅や乗りたい場所からタクシーの配車を依頼できる。いちいち電話をする必要はなく、片手で1分足らずで完了するので非常に使い勝手が良い。
また、東京・名古屋・福岡などで展開する「Charichari(チャリチャリ)」などのシェアサイクルサービスもおすすめ。自転車は住居や会社によっては駐輪場の契約が必要だし、メンテナンスも意外と大変なのが難点だ。しかし、バイクシェアリングサービスなら簡単に自転車を借りることができ、専用駐輪場に乗り捨てられるのでそれらの手間が省ける。DXは移動についても効率を飛躍的に向上させ、時間的・心理的な負担を減らしてくれる。
身近なDX事例:家庭の食卓を応援する「テイクアウト&デリバリー」
外食に行ったりコンビニへ買い物に行ったりする時間がない中でも「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や「出前館」といったテイクアウトサービスのアプリを利用すれば大丈夫。
食べたいメニューをスマホから注文するだけで、所定の場所に届けてもらえる。急な会議やパーティーで大量の料理が必要なときでも、わざわざ買いに行く時間や手間を省けるのだ。「今日は疲れて料理をする気が起きない……」なんてときでも30分ほどでおいしい料理にありつけるのだから、使わない手はないだろう。食事は大切ではあるが、手の込んだものには時間や心の余裕が必要となる。DXは私たちの仕事を奪うのではなく、作業を代わりに手伝ってくれるのだ。
身近なDX事例:趣味の幅が広がる「サブスクコンテンツ」
終業後や週末は、趣味の時間を楽しもう。しかし、せっかく観たい映画をレンタルしようと思ったらすべて貸出中だった……なんて経験をしたことがある人は多いだろう。そんなときはサブスクコンテンツに任せよう。「Amazon Prime(アマゾンプライム)」や「Netflix(ネットフリックス)」なら毎月の定額料金を支払うだけで映画やドラマ、バラエティ番組などが見放題。さらに過去に視聴した作品から好きなものを予測し、AIがおすすめを教えてくれるため、レンタルショップでは出会えなかった作品を知り、趣味の幅が広がることもある。
また、著名人も多数主宰しているサブスク型の「オンラインサロン」に参加する人も増えている。家にいながら、共通の趣味や目標を持つ仲間とコミュニケーションができたり、オンラインゲームに興じたり、Kindleで漫画や書籍を読んだり、Zoomウェビナーで自己啓発に励んだり、オンラインで英語やヨガを学んで自分を磨いたり。仕事よりプライベートの方が、DX化が進んでいる人も少なくないかもしれない。
教室に通ったり、レストランを予約しなくとも、家でくつろぎながら友人と親交を深めたり、エンターテインメントを楽しんだりできるのだ。子育て中の人も寝かしつけた後の2時間を学びやエンタメに使うことができるのも、DXのおかげではないだろうか。
身近なDX事例:買い忘れ防止!
定期便も便利な「ネットショッピング」
帰宅後、ひと息ついたところで「トイレットペーパーが切れてしまった!」という経験をしたことはないだろうか。しかし日用品はネットショッピング「Amazon」や「LOHACO」などの定期便を利用すればこんなストレスからも解放される。在庫が切れる頃に自宅に届くように設定もできるので、焦って閉店間際に駆け込むこともない。水や米、子育て用品など大量の荷物を抱えて買い物から帰る手間も省けるのだ。
家政婦さんのように家事をサポートしてくれたり、移動したいタイミングで迎えに来てくれたり、忘れる前にストックを補充してくれるのだ。自分の困りごとに当てはめて的確なDXが導入できれば、暮らしはどこまでも便利になりそうだ。
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日本でもDX化が進むと、私たちの生活はどう変わる?
普段の暮らしや家庭の中で考えるとDXがいかに身近であるか感じられたのではないだろうか。
DXが最も進んでいる中国ではキャッシュレスが当たり前で、むしろ現金お断りの店のほうが多い。また、日本ではなかなか導入がうまく進まない「無人コンビニ」をいち早く取り入れたことでも知られている。
もちろん、一朝一夕に中国のように変化することは難しいが、日本でもDX化が進めば今とは比較にならないほどにスピーディー&効率的で便利な未来が訪れるだろう。近未来を描いた映画のワンシーンのような暮らしはもうすぐ現実のものとなる。DXはビジネスシーンだけでのものでも、難しいものでも決してなく、私たちの日常のすぐそばにあるものなのだ。ぜひ、あなたの生活にも暮らしを豊かにする「DX習慣」を取り入れてDXを身近に感じてほしい。
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