信用スコア

信用スコアとは、その人を取り巻く状況を数値として示したスコアのことで、例えば契約を確実に履行できるか、返済する能力があるか、道徳的に正しい行動ができるか、学歴や雇用状況はどうか、年収はどのくらいかなど、個人が持つ信用力を評価して数値化している。この信用スコアは日本では2020年時点であまりなじみのある言葉ではないが、中国やアメリカなどの海外では、個人の信用力を図る際の指標として定着しつつある。

アメリカでは「FICOスコア」が1990年代から採用され、中国では、大手IT企業のアリババが運営するモバイル決済アプリ・アリペイと連携している「芝麻信用(じーましんよう」が広く普及。中国政府が導入を進めている「社会信用システム」と連携しており、スコアによってランクが分けられ、ランクが高いとローンの優遇が受けられたり、大学入学や就職における優先措置、公共交通機関の利用料金の優遇、公共住宅への優先的な入居が可能になったりする。逆にランクが低いと、航空機や高速道路お利用禁止、ローン申請の却下、投資の制限、ホテル利用禁止などさまざまな制限がかかるようにようになる。

日本でも信用スコアの導入を始める企業があらわれてきており、ソフトバンクとみずほ銀行が共同出資してつくった会社J.Scoreが運営する「AIスコア」やNTTドコモの「ドコモスコアリング」、LINEが運営する「LINE Score」など、スコアが高ければ高いほど、優遇措置を受けられるサービスが始まっている。