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情報銀行とは何か、定義や仕組み、メリットやデメリットは何かをわかりやすく解説【用語解説】

こんにちは、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連する用語を解説しているディック君です。今回はここ数年注目を集めている「情報銀行」について、その定義や仕組みなどをわかりやすく解説するよ。「21世紀の石油」と呼ばれるパーソナルデータを利活用できるという情報銀行とは一体どんな役割をもっていて、利用する人にはどのようなメリットやデメリットがあるんだろう。では、一緒に見ていこう。

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情報銀行は日本発!その定義と仕組みとは

情報銀行とは、簡単にいうと利用者から預かった氏名や住所、年齢、性別、興味関心、どんなものを購入したか、どこからどこへ移動したか、健康状態、金融資産に関する情報などのパーソナルデータを適切に管理して、データを活用したい他の事業者に提供する日本独自の事業なんだ。

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個人が利用したい情報銀行を選んで契約を結び、パーソナルデータを情報銀行に預ける。情報銀行は利用者に代わってパーソナルデータを管理して、企業に提供したり販売したりするよ。利用者はデータ提供の見返りとしてポイントやお得な情報などを受け取れるんだ。もちろんデータは預けているものだから、どんな企業に提供したかはいつでも確認できるし、嫌なら提供をやめることもできるよ。

情報銀行には、Personal Data Store(パーソナルデータストア、以下PDS)という、データを集約して安全に管理するシステムが使用されているよ。利用者は自身が所有する端末内のPDSにデータを預けたり、情報銀行のサーバにあるPDSにデータを蓄積したりするんだ。情報銀行は個人の重要な情報を取り扱うから、セキュアな管理システムの構築はマストだよね。

現代において、パーソナルデータは「21世紀の石油」と呼ばれるほどものすごく重要なものなんだ。消費者の趣味嗜好や行動がまるわかりになるから、サービスや商品開発、広告運用などの成功に欠かせない「資産」として扱われていて、新しい事業を展開したり質の高いマーケティング活動に役立てたいと考えていたりする企業のビジネスの発展に不可欠だとされているよ。

これまではパーソナルデータの収集に長けているGAFAのような一部の巨大テック企業がデータを活用して成長をとげてきたよね。たとえばAmazonは利用者の検索履歴や購入履歴といったデータを収集して、別の商品を提案する機能を実装したことで急拡大したし、Googleも検索履歴や閲覧履歴、位置情報などのデータを広告販売に活かして大きく成長してきた。

そこで、日本の企業もデータを活用して発展するために情報銀行が生まれたんだ。ビッグデータを活用するDXにも情報銀行は役立つ存在といわれているよ。

政府も情報銀行がうまくいくように支援していて、総務省と経済産業省が発表した「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」によると、情報銀行とは「個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDSなどのシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示またはあらかじめ指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業」だと定義されているね。

情報銀行のメリットは?関連制度についても紹介!

消費者がきちんとした情報銀行はどこかを判別することは難しいので、民間団体による管理体制などを認定する基準として「情報銀行認定制度」が設けられているよ。2018年に認定制度が設定されて以来、金融機関や電力会社などさまざまな企業が情報銀行に参入しているんだ。認定は「通常認定」と「P認定」の2種類があって、有効期間は2年間でそれ以降は更新をしていくよ。認定を取得するかは任意だから、情報銀行の開業に必ずしも認定を受ける必要はないんだ。ユーザーとして利用する際には、認定基準を満たした情報銀行を選ぶと安心だね。

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情報銀行の登場によって、企業側はこれまで利用していたものよりもずっと精度の高いパーソナルデータを入手できるようになる。それをマーケティングや商品開発などの企業活動に活かすことができるというのが1番のメリットだね。

利用者のメリットとしては、情報銀行を利用すれば、利用者がどんなデータを提供したいか、企業や研究機関などの提供先を指定することができるから、自分のデータを自分でコントロールできるようになるということが大きいね。応援したい企業にデータを提供してサービスの向上に寄与することもできるんだ。膨大な個人情報の管理を安心して任せられるというのもありがたいよね。

他にもデータを提供することで、ポイントが溜まったり、お得な情報を受け取ったり、個人に合ったサービスや商品の提案を受けられたりといったメリットもあるね。

進む欧米、独自路線の日本。国内外のデータ情報銀行の事例とは

情報銀行は日本独自の事業だけど、データの利活用が進んでいるのはやっぱり欧米なんだ。ここでは各国のデータ関連事業の事例を見ていこう。

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アメリカには「スマートディスクロージャー」という事業があるよ。「洗練された情報開示」という意味で、商品やサービス、企業、消費者の情報を集約・分析・開示することで、消費者と商品やサービスをマッチングするというもの。教育やエネルギー、金融などさまざまな分野で導入されているよ。

イギリスでは「midata(マイデータ)」という官民共同プロジェクトが2011年から進行しているよ。消費者が自分の購買履歴や移動履歴などのパーソナルデータを管理・活用・提供できる仕組みがつくられて、イノベーションを生み出すプロジェクトとして注目を集めているよ。

マイデータを活用したサービスも登場していて、自分の銀行口座の1年分の入出金履歴をダウンロードしてマイデータ活用サービスのWebサイトにアップロードすると、アルゴリズムがデータを分析して自分に最適な銀行をピックアップしてくれるんだって。

フランスは2012年からパーソナルデータを活用した「MesInfo Experiment」というプロジェクトが行われているんだ。自治体がパーソナルデータとオープンデータを使った実証実験を行うなど、官民共同でデータの利活用をめぐって研究が進められているよ。

次に日本国内での情報銀行事業がどのように進んでいるか紹介するね。

愛知県の中部電力の地域型情報銀行サービス「MINLY(マインリー)」は、2020年3月に実証事業をスタートさせた。スマートフォンのアプリによってユーザーのパーソナルデータを預かり、地域の飲食店や小売店などにデータを提供して、ユーザーはその見返りとしてクーポンをもらうというものだよ。パーソナルデータを取得したい地域の個人店は多いけど、大企業のようにセキュアな環境を構築するのは難しいから活用が進んでいなかったけど、情報銀行の登場は地方の活性化にも役立ちそうだね。

日立製作所は数百名の従業員を対象に実証実験を行っているよ。家電ごとの電力使用状況などのパーソナルデータを収集してみて、データを集める際の同意の取り方やデータ提供に対する見返りの設定など情報銀行事業を行う上での課題はどんなものがあるかをあぶり出しているんだって。

高齢化による財政圧迫という課題を抱えるさいたま市は、スマートシティ構想の一環として市民のパーソナルデータを収集・管理して市民生活の向上と課題解決を目指しているよ。「共通プラットフォームさいたま版」というプラットフォームを構築して、健康やエネルギー、環境といったさまざまなデータを収集して、民間企業に提供しているよ。民間企業はそれを活かして新規サービス創出に取り組んでいるんだ。

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パーソナルデータのセキュリティ、認知度、法整備…情報銀行の課題は山積み

少しずつ日本でも取り組みが進んでいる情報銀行だけど、まだまだたくさんの課題を抱えているよ。

利用者のプライバシーを保護できるのか、情報漏えい対策といったセキュリティ面の問題や認知度が低く十分なデータが収集できないという課題、そもそもパーソナルデータを提供したくないと感じる人が多いことも課題の1つだね。EUにはGDPR(General Data Protection Regulation / EU一般データ保護規則)というパーソナルデータの取り扱いに関する規則があるけれど、日本にはそれもなくてパーソナルデータの取り扱いが難しい。とはいえ、個人情報保護法が改正されて法整備は少しずつ進んでいるし、少しずつ環境が構築され始めているのが現状だね。

データ利活用の時代と呼ばれる今、情報銀行が成功すれば企業と利用者ともに大きなメリットがあるから、今後の動向は注目していきたいね。

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