「AWSってすごい」コスト削減も、業務効率も…AWSを使う場合のメリット【用語解説】
デジタル時代のビジネスに欠かせないのは何といってもクラウドサービスの導入だ。
中でもトップクラスのシェアを誇るクラウドコンピューティングサービス(クラウドサービス)が、Amazonが提供する「AWS(Amazon Web Services)」だ。誰もが一度は耳にしたことがある名称だろう。でも、具体的にどんなことが実現できるのか、なぜそこまで注目を集めているのかを全て理解できている人は少ないかもしれない。
そこで、今回は「AWS」って何がすごいのか、わかりやすく解説していくよ。
【関連記事】 ・ビッグデータの身近な事例とは?データの活用で「顧客の見える化」へ【用語解説】 |
・第四次産業革命ってどんな革命?未来の日本や世界はどう変わる?【用語解説】 |
「AWS」とは?
AWS(AWSクラウド)とはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供している100以上のクラウドコンピューティングサービスの総称だよ。市場調査会社Canalysが発表した報告書によると、2020年第4四半期のクラウドインフラ支出総額ではシェア32%を獲得し、クラウドプロバイダーとして首位の座を維持しているほどの人気ぶりなんだ。
もともとはAmazonが自社の商品を管理するために開発されたもので、それを2006年に一般公開したことが始まりだといわれているんだ。
おっと! 「AWS」について解説する前に、簡単にクラウドコンピューティングサービスについて触れておこう。
かつて、あらゆるサービスはソフトウェアをダウンロードしなければ使えなかったんだ。対して、クラウドサービスはハードウェアの購入をしたり、ソフトウェアをダウンロードしたりする必要がなく、パソコンとネットワーク環境さえあればインターネットを介してサーバーやストレージ、データベース、ソフトウェアなどさまざまなサービスを利用できるのが特徴だよ。
AWSは、Amazonが提供する200以上のサービスをクラウド上で管理できるからこそ、人気が広がってシェアが拡大していったんだね。
「サーバー構築やデータベースの管理も」AWSで何ができるの?
AWS は、サーバーやストレージをはじめ、機械学習やAI、IoT などのテクノロジーに至るまで、まさに世界トップクラスといえる豊富な機能を備えている。じゃあ、具体的にはどんなことができるのだろう。
1)サーバーの構築やWebサイトの運用
AWSが提供している仮想レンタルサーバー「Amazon EC2」でインスタンス(ひな形に沿って目に見える形にしたもの)を作成すれば、初期費用をかけずにWebサイトを比較的簡単に運用できるといわれているよ。 |
2)データのバックアップ
AWSが人気を集める大きな理由は、セキュリティが高く拡張性が高いから。そうしたメリットを最大限に活用できるのが「Amazon Simple Storage Service(S3)」だよ。このサービスを使うと、データのバックアップや復元が可能になるんだ。 |
3)AI機能
Amazonのサイトで特徴的なのが、購買履歴などからユーザーが好みそうな情報を提示するレコメンドシステムだね。実は「Amazon Personalize」を使うと、人工知能(AI)の知識がなくてもこのようなサービスをユーザーに提供することができるんだ。 |
4)データベースの管理
顧客や商品のリストなど、多岐にわたるデータベースを管理するときには「Amazon Relational Database Service」が最適だよ。通常データベースを構築するにはサーバーの準備に始まり、時間もコストも膨大にかかる物だけど、これなら操作も簡単で、誰でも効率的に利用できる点が好まれているんだ。 |
もちろん、ここで紹介している機能はほんの一部。AWSの豊富なサービスを使えばたくさんの業務が効率化することは何となくわかったかな。
もし少しでも興味がわいたなら、ぜひAWSのアカウントを作成して公式サイトから自分に合ったサービスを探してみてね。各種ガイドはKindle版も用意されているから、通勤中や移動中に気軽に勉強することもできるよ。
AWSを使うメリットとは
AWSのさまざまな機能を利用すれば、ビジネスを大きく変えるきっかけになることは分かったよね。それにしても、なぜAWSはここまで多くの場で使われるようになったのだろう。ここからはAWSをよりよく使うために知っておきたい3つのメリットについて話すね。
1)導入コストの削減
AWSは毎月定額のサブスクとは違い、従量課金型といって、利用量に応じて費用がかかる仕組みなんだ。つまり、導入するだけなら初期費用はゼロ。実際にサービスを使ってみて不要だと感じたら停止や縮小もすぐにできるから、無駄なコストがかからないという点も大きなメリットだね。 |
2)高いセキュリティ
実はAWSは政府や金融機関にも採用されているんだ。それほど、高いセキュリティレベルで構築されているということだね。 |
3)ビジネススピードを加速させる
AWSが優れているのは、ほとんどのサービスがすぐに利用できるというところ。 |
導入費用が削減できるだけでなく、導入ハードルも極めて低いんだ。だからこそ気軽に始めることができ、ビジネススピードが一気に上がるというわけだね。高い柔軟性と拡張性も持ち合わせているから、必要な機能を組み合わせたり追加・停止したりすることもできるよ。
また、管理や運用に割いていた時間や人的なリソースをAWSが担ってくれることも大きなメリットだろう。これまで、システムやデータベースの管理・運用のために担当社員をつけたり、アウトソーシングでの外注費に悩んでいたりした企業にとっては、ここにマンパワーや時間をかけなくて良くなる。つまり、もっと別の業務に費用や時間をあてられるとも言い換えられるよね。これは会社にとって非常に大きなメリットだといえるんじゃないかな。
「ダウンタイムがある?」AWSのデメリット
メリットがあれば当然ながらデメリットもある。これも利用する上で知っておくのが大事。例えば、AWSは機能強化や改善のためにメンテナンスやアップデートを行うことが多い。その間はダウンタイムといって、サービスを利用できない時間が発生する場合があるんだ。また、メンテナンス期間でなくともAWS側のネットワークの故障が原因でサーバーが停止してしまうこともあるよ。もちろんこうしたサーバー障害はAWSに限った話ではないけれど、不測の事態に備えて対策を考えておくことは大切だね。
また、導入ハードルが低いとはいえ、細かな調整やオプションの追加などカスタマイズをするにはある程度の専門的な知識やスキルが必要になる。もしも社内に対応できる人材がいない場合は、育成に力を入れたり、新たに人材を確保したりすることも考えなければならないんだ。
有名企業のAWS運用事例とは
しかし、デメリットに勝るメリットがあるからこそ数多もの企業が活用しているのも事実だよ。
知らない人はいないと言っても過言ではない世界的ゲームメーカーの「任天堂株式会社」は「株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)」と協業してゲームサーバーを含む各種機能をAWS上に構築・運用しているんだ。人気ゲームの「マリオカート ツアー」は、データベースサービスの「Amazon Aurora」を採用しているんだって。
ほかにも日本国民の約3人に1人が使っているとされる(※)スマホ決済サービス「PayPay」が、インフラ機能にAWSを使っていることも有名な話だよ。なんと驚くことに、PayPayの開発決定からリリースまでにかかった期間は約3カ月ともいわれている。
優秀なチームメンバーがいたことは想像できるけど、きっとAWSだからこそここまで短期間でのローンチ(新しいサービスを世に送り出すこと)が実現したと考えられるよね。
ちなみに、デメリットの1つに「運用スキルの必要性」が挙げられるけど、闇雲に勉強をしてもスキルが身に付くわけではない。
そこでおすすめなのが、公式が提供している「AWS認定資格」だ。「ベーシック(基礎レベル)」、「アソシエイトレベル」、「プロフェッショナルレベル」の3つのレベルに分けられた6つの認定資格が用意されていて、「高度なネットワーキング」「データアナリティクス」「データベース」「機械学習」「セキュリティ」の5つの専門知識を認定する制度もあるんだ。
AWSスキルがあれば、より良いチーム作りの構築にも役立つだろう。目的や自分のレベルに応じて、取得を目指してみるのもいいかもしれないね。
【関連記事】 ・ビッグデータの身近な事例とは?データの活用で「顧客の見える化」へ【用語解説】 |
・第四次産業革命ってどんな革命?未来の日本や世界はどう変わる?【用語解説】 |
今後、ますます需要が高まっていくに違いない「AWS」。今のうちから基礎を学んでおくと、時代の波に乗り遅れないはず。
さあ、ビジネスを変えるチャンスを掴もう!
DX.WITH編集部
DX推進に悩む人や企業に「九州の企業を中心とした具体的な事例」や「導入の方法」、「体制づくり」などの有益な情報をメディアを通じてお伝えし、DX推進の支援を行っています。AIやIOTなどデジタル技術を使って、新しい価値を生み出している九州・福岡のDXの事例やDXに関連するトレンドなどを紹介。DX推進を後押しするためのメディアとしてお役立てください。
運営:西日本新聞メディアラボ・AIソリューションズ
西日本新聞メディアラボ・AIソリューションズ(略称:N-AIs/ナイズ)は、西日本新聞グループのデジタル事業会社、株式会社西日本新聞メディアラボと、山口大学発のシンクタンク&コンサルティング会社、株式会社MOT総合研究所の共同出資で設立した、AI活用のトータルソリューションを提案する会社です。慶應義塾大学発・小売り企業向けAI開発のトップランナー”SENSY株式会社”などの企業と連携し、DXを進める九州・中国・四国エリアのAI導入、AIを活用した課題解決をサポートしていきます。
Facebook https://www.facebook.com/DX.With
HP https://nml-ais.co.jp/