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【YOKOHAMA Hack!】 デジタル技術を活用した下水道マンホール蓋の“異常判定の効率化”と “劣化予測の実用化”に関する実証実験を完了

東日本電信電話株式会社

 東日本電信電話株式会社 神奈川事業部(執行役員 神奈川事業部長:相原 朋子、以下「NTT東日本」)は、横浜市と下水道管路施設の業務効率化を目的としたデジタル技術の活用に向けて協定締結し実施した「マンホール蓋の異常検知AI開発」に関する実証実験プロジェクトについて「型式判定・異常判定」と「劣化予測の実用化」の実験を完了しました。
 横浜市からは、「下水道マンホール蓋は材質や設置年代を判別するための『型式判定』と、劣化状態を判断する錆・摩耗に関する『異常判定』は、現在の調査業務で適用できる精度の判定を実現することができ、作業時間を短縮することが期待できる結果となりました。『劣化予測』では、錆に関する劣化予測モデルを構築し、将来の錆の劣化進行を下水道マンホール蓋1か所毎に算出することで、下水道マンホール蓋の更新計画策定の資料として活用できる可能性が得られました。」と総評コメントも出されています。
 <*>横浜市報道発表資料_https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/

摩耗・路面ヒビのAI判定結果写真

1.実証実験結果
(1)型式判定
 業務活用しやすい「材質、採用年代」の型式分類グループを作成しました。7つのグルーピングにより、全人孔の97%をカバーしています。目視で間違えやすい型式も含めて、テスト画像350枚に対して約99%の精度で判定することを実現しました。
(2)異常判定
 自社が保有するマンホール点検ノウハウを活用し、蓋の破損だけでなく、実用できる異常項目(摩耗・路面ヒビ・縦ズレ・錆・留め具破損・蓋種別)を定めた上で、異常判定AIを開発・活用し異常判定を実施しました。
(3)劣化予測
 錆の定量化を実施し、「劣化」などの予測を実施しました。50年以上経過したデータや他要因を組み合わせることで、劣化予測の精度向上が可能となります。

【予測モデルの詳細】
■経過年は型式の採用年から算出
■錆び割合は、錆び検知AIから算出
■各経過年で錆び割合に差があるため、合流/汚水/雨水毎に、3パターンの劣化予測モデルを作成

<現在の錆の状態から将来の劣化を予測>

<劣化進行度の高い人孔蓋個数及び割合を可視化>

2.今後に向けて
 従来からのマンホール蓋等の撮影において、撮影画角をAI点検画角に変更することにより、横浜市としてシステム導入や大きな運用変更をせず、業務稼働の効率化および点検精度の維持・向上を実現できると考えています。
 NTT東日本グループでは、「持続的な成長が可能な地域社会の実現」に向け、従来の光回線をはじめとしたICT(情報通信技術)を活用した付加価値の高いサービス提供に加え、地域課題の多様化も踏まえた非通信分野事業へ事業領域を拡大し、地域のみなさまからのご要望に応えられるよう取り組みを進めていきます。

<参考>
▼実証実験取り組み背景
横浜市では、DX推進の取組として、行政の業務やサービスにおける課題・改善要望(ニーズ)と、それを解決する民間企業等が有するデジタル技術(シーズ)提案をマッチングするオープンなプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!」を運営しています。<*>https://hack.city.yokohama.lg.jp/about

 横浜市の下水道管路施設として、マンホールが約54万箇所あります。老朽化する施設は急激な増加が見込まれており、維持管理の必要性・重要性が高まっている中、下水道管路施設のマンホール蓋は摩耗の進行やガタつき等の事象をもとに、職員の経験知等により交換時期を判断しています。

 一方、NTT東日本ではインフラ通信事業者として、通信ビル・電柱・とう道・ケーブル等の多くの通信設備を維持・管理しています。その維持・管理業務において、デジタル技術を活用して作業・業務の効率化を図っており、横浜市におけるマンホール点検業務のDX推進に貢献できると考え、「YOKOHAMA Hack!」に応募し、この度、実証実験プログラムを開始するに至りました。


(NTT東日本による電柱等線路設備の画像診断利用時)

▼実証実験プログラム概要
(1) 期間:2023年8月17日 ~ 2023年12月28日
(2) 内容:マンホール蓋の型式、異常判定及び劣化度のAI予測
(3) 役割分担:
・横浜市:実験計画・目標の策定、実証の庁内業務フロー検討、関係者へのアンケート実施 等
・NTT東日本:実験計画・目標の策定、実験に必要なソリューションの環境構築 等


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