〈中小企業の脱炭素経営に関する実態調査 第2弾〉脱炭素経営を行う中小企業が感じている効果TOP3は「コスト削減」「認知度向上」「社員のモチベーション向上」!
フォーバル GDXリサーチ研究所
行っている取り組み1位は「従業員への教育」一方、取り組み状況を発信していない企業が半数!「脱炭素経営」について発信が少なく、メリットを享受しきれていない企業が多いと推察
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業の経営者600人に「中小企業の脱炭素経営に関する実態調査」を実施しました。
2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて脱炭素経営に注目が集まっています。前回の「中小企業の脱炭素経営に関する実態調査 第1弾」では、中小企業における脱炭素経営の必要性や実行の割合、そもそもの脱炭素経営への理解度などの実態が明らかとなりました。
今回の調査第2弾では脱炭素経営において感じられているメリットや、実際に中小企業経営者が実施している取り組みについて明らかにすべく、調査いたしました。
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。
【アンケート概要】
・調査主体:フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間:2023年10月16日(月)~11月15日(水)
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法:ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数:600人
1.脱炭素経営に取り組んでいる中小企業が感じている効果
TOP3は「コスト削減」「認知度向上」「社員のモチベーション向上」という結果に
Q1. 脱炭素経営を実施したことにより、貴社ではそれぞれの項目における効果はありましたか。
脱炭素経営に取り組んでいると回答した中小企業経営者に、脱炭素経営の実施による効果について聞いたところ、「十分に効果を感じている」「やや効果を感じている」合わせて34.4%が「コスト削減」について効果を感じられている結果となりました。その他の項目についても、「認知度向上」が32.0%、「社員のモチベーション向上」が30.3%となり、それぞれ30%以上の経営者が効果を感じられている結果となりました。
一方、効果を感じている割合が2割以下の項目は「人材獲得の強化」(14.8%)、「資金調達」(14.0%)となり、これらは後述の対外的な発信率の低さにも影響していると思われます。
2.脱炭素経営の取り組み1位は「従業員への教育」で半数ができていると回答!
一方、「自社のGHG排出量の算定」は2割、「環境目標の策定」は3割に留まる結果に。
Q2. 脱炭素経営における具体的な取り組み項目それぞれについて、貴社での取り組み状況を教えてください。
脱炭素経営を行う上でどのような取り組みが実際にされているのでしょうか。
今回の調査では、脱炭素経営に取り組んでいると回答した中小企業経営者のなかで「従業員への環境に対する教育」について「十分に取り組めている」「ある程度取り組めている」合わせて49.2%となり、約半数が取り組めている結果となりました。「環境に配慮した商品・サービスの利用」についても46.7%が取り組めている結果となりました。
一方、「自社のGHG(二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス)排出量の算定」は23.0%、「環境目標の策定」は32.0%、「脱炭素経営に関する資格取得」は18.0%に留まる結果となりました。
自社のGHG排出量の算定ができていないため、目標の策定も困難になっていると推察されます。
3.CO2削減に関して、「消費電力の削減」「設備の改善」は6割ができていると判明!
一方、「エネルギーの生成」は7%、「エネルギー種別の切替」は3割に留まる結果に
Q3.CO2削減における具体的な取り組み項目それぞれについて、貴社での取り組み状況を教えてください。
CO2の削減は脱炭素経営の大きな要素の1つとなります。ここでは、中小企業各社のCO2削減に関する取り組みについて調査しました。
照明の間引きや消灯、エコドライブなどの「消費電力の削減」は「十分に取り組めている」「ある程度取り組めている」合わせて61.5%、LED導入やエアコンのフィルター清掃などの「設備の改善」は66.4%が取り組めている結果となりました。一方、電気自動車やハイブリッドカーの利用・導入や再生エネルギー電気の購入などの「エネルギー種別の切替」は25.8%、太陽光パネルの設置やマイクロ水力発電の導入などの「エネルギーの生成」は7.0%に留まる結果となりました。
4.脱炭素経営の取り組みを半数が発信していないと判明!
事例が世の中に広まっていない、取り組みの恩恵を十分に受けられていないと推察
Q4.貴社は脱炭素経営の取り組みを対外的に発信していますか。
脱炭素経営に取り組んでいると回答した中小企業経営者に自社の脱炭素経営の取り組みについて対外的に発信しているか聞いたところ、「特にしていない」と回答した人は46.7%となりました。
これまで脱炭素経営に取り組んでいる中小企業の割合や取り組み内容についての調査を行ってきましたが、取り組んでいるにも関わらずその内容を発信していない中小企業が非常に多いことが確認できます。対外的な発信を増やすことで、人材獲得の強化や資金調達などあらゆるステークホルダーからの好影響が出る可能性があると推察できます。
【有識者のコメント】中小企業の脱炭素経営について
フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。
その後営業部長を経験。2001年からは九州支店に所属し、赤字経営の立て直し、コンサル事業の立ち上げに成功。以降アライアンス事業の事業責任者を全うする。
現在は、全国のコンサル事業の全体統括や「ブルーレポート」の統括、国・行政との連携を行う事業の責任者を務める。
数々のメディア掲載実績を持ち、中小企業経営者を対象とした経営塾の講師、DXを始めとするウェビナーにも数多く登壇している。
2022年10月 フォーバル GDXリサーチ研究所 所長に就任。
2023年9月 「経済通商諮問団」委員に就任(2023年9月20日~12月31日)。
■本調査リリースについてコメント
国や行政が脱炭素経営への取り組みに対する声を上げ続け、少しずつですが、その必要性を理解し、脱炭素経営へ取り組む中小企業が増えつつあると感じています。
取り組みの中身を見てみると、従業員への教育や環境に配慮した商品、サービスの利用などの施策が目立ちます。一方で、脱炭素経営における目標、ビジョンの設定(何年後に自社のGHG排出量をどこまで削減するか等)や、現状の脱炭素経営の状況の可視化(自社のGHG排出量の把握)といった最初に設定、把握すべき項目ができていない中小企業が多く存在します。まず始めに、目指すべき方向を明確に定め、現状とのギャップを認識することが非常に重要です。難しい場合は必要に応じて外部の専門家も活用し進めていくことを推奨します。
また脱炭素経営に取り組んだ際には何らかの形で外部にそのことを発信していただきたいと考えています。発信したことがステークホルダーの目に止まり、自社の新たな強みとして認識される可能性があること、まだ取り組めていない中小企業のモデルケースとなり、全体の取り組みの底上げに繋がる可能性があるためです。すでに脱炭素経営に取り組み、成果を出せている中小企業経営者はぜひ先頭を走り、日本全体の脱炭素経営促進に貢献されることを期待しています。
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
HP:https://gdx-research.com/
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