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京都大学とDiOが罹災証明のデジタル化に向けた共同研究を開始

株式会社DiO

罹災証明発行のデジタル化で、罹災者への自治体対応の迅速性を実現、早期復興を可能に

 国立大学法人京都大学(総長:湊長博)と、独自の点群情報技術を活用して社会課題の解決に取り組む株式会社DiO(本社:京都市上京区、代表取締役:一筆 芳巳、仮名表記:ディオ)は、自治体が行う罹災証明のデジタル化についての共同研究を開始します。(契約締結日:2023年10月20日)

 DiOと京都大学防災研究所附属巨大災害研究センター災害情報システム研究領域(以下、畑山研究室;代表 畑山満則教授)とが共同して、自然災害発生後に自治体が発行する罹災証明書の発行基準にフォーカスし、デジタル機器を活用して収集した建物の点群情報の時間的差分を罹災前のデータと比較することで、実際に罹災した建物の損壊状況を迅速性と正確性が伴った状況で判別できる仕組みを研究、実用化を目指します。今後、複数の地方自治体の協力を得て、2025年3月末まで実証実験を行います。

【共同研究の背景】
 自然災害により家屋等が被害を受けた際に自治体が交付する罹災証明書は、現状においては、被災地に自治体職員が出向き、建物の被害状況を人力で確認、評価した上で発行されています。このため大規模災害では、膨大な労力と時間を有し、早期復興を図る上での課題になっています。建物の被害状況判別のデジタル化が実現すれば、大規模災害発生時に、自治体職員による建物被害の確認作業の負担が軽減され、客観性の高い罹災証明書を速やかに発行が可能となると共に、自治体職員が他の罹災対応ができる時間を創出することができるようになります。

【共同研究の目的と内容】
 罹災証明のデジタル化は、寺社仏閣など歴史的建造物の三次元デジタルスキャニング、メタバース構築で培った点群情報ビジネスを展開するDiOが開発したビジネスモデルです。建物の精細な三次元点群データをあらかじめ測定・記録しておき、罹災後に測定したデータとの差分を解析することで、建物の損壊度を判定するものです。
 実証実験では、対象エリア内にある建物の三次元点群データを、3D都市モデルのオープンデータ等を活用して測定、記録します。その後、地震や台風、大雨など自然災害により被害を受けた建物について、小型無人飛行機(ドローン)やGPSで三次元データを測定し、罹災前との差分を、AI(人工知能)を活用して解析します。建物の罹災度を数値化することで、客観的かつ迅速に損壊判定を行う手法を検討、検証します。
 これにより、罹災証明の迅速化とコスト低減につながる自然災害時三次元デジタルデータの検証と基準づくり、社会インフラとしてのデジタル罹災証明の運用方法などを検討します。

【共同研究の概要】

【京都大学防災研究所 畑山研究室について】
 時空間情報を効率的に処理できる地理情報システムを核とし、総合防災システム、総合減災システムを確立するために求められる情報システムに関する基礎研究を行うとともに、行政・民間企業・地域防災を担うコミュニティ・災害支援ボランティア組織などを対象に、多種の自然災害における災害対応を想定した情報システムの構築方法論と評価手法を構築することを目指しています。研究対象とする情報システムは、核となる地理空間情報の収集・管理・運用を内包しているものとし、情報収集へのICTやロボット技術の適用、災害対応過程で必要となる地理空間情報のモデル化、システム運用のための体制作りについても研究課題として取り扱っています。

【株式会社DiO 会社概要】

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