「DXで変わる!北九州の企業」シリーズ③小倉アジア語学教室
北九州市の中小企業では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が進む。シリーズ第3回目は小倉アジア語学教室の事例を紹介。
Web予約&オンライン授業のシステム構築で教室再開
中国出身の王琨(ワンクン)代表が15年ほど前に「中国語を教えたい」との思いから開設した「小倉アジア語学教室」。科目は中国語のほか韓国語、英語、ベトナム語などで、幅広い世代に合わせたタイムスケジュールで授業を展開している。
対面授業が主流の語学教室にデジタル化が必要になったのは、コロナ禍の影響で休業を余儀なくされたためだ。一日でも早く再開したいと、Web予約システムを導入し、オンライン授業を実施した。
コロナ禍の影響で教室閉鎖を繰り返し
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発出された2020年4月、外出自粛の行動制限が敷かれた。
小倉北区浅野にある語学教室に通っていた高校生から高齢者までの受講生が来られなくなった。一時のことと思い教室を休み、緊急事態宣言解除後の8月から教室を再開したものの、翌年1月には、またもや休業を余儀なくされた。
対面授業ができない状況で、王代表はなんとか教室を再開したいと考えたが、どうすればいいのか分からなかった。
「これからはオンライン授業だ」
そんなとき、王代表が目にしたのが、テレビニュースで取り上げられていた北九州市ロボット・DX推進センターの支援事業。「これからはオンライン授業だ」と思い立ち、すぐに依頼した。
専門家として支援を担当したのは、システム開発会社「日本ソフト技研」の北隅彩季さん。パソコン操作があまり得意ではない王代表の要望や現状を確認し、次の点を支援した。
❶オンライン会議アプリを使った授業、Web予約システムの構築について説明 |
❷Eメールアドレス取得と送受信の方法 |
❸利用可能なオンライン予約サービスの提案 |
❹活用可能な補助制度の紹介 |
当初はパソコンに不慣れで不安だと言っていた王代表が意欲的に取り組む姿を見て、北隅さんはうれしくなることが多かったという。
思いがけないメリットや効果も
北隅さんのサポートを受け、まずWeb予約システムを導入したところ、広範囲の人の目に触れるようになり、思いがけない広告効果が得られた。「幅広い地域や年代の方から予約のメールが届くようになりました。
メールはどこに居ても確認できるので便利です」と王代表はデジタル化のメリットを実感。
またオンライン授業を実施してみると、期待以上の効果があった。「コロナ禍では対面だとマスク着用が必要ですが、オンラインでは外せます。中国語の難しい発音は口の形も重要なので、オンラインでは口の形を確認しながら教えることができます」。
さらにデジタル化に関する知識を深め、いずれは海外の人に日本語や日本の文化を教えたいと夢を膨らませている。
支援者メッセージ 日本ソフト技研株式会社(センター登録専門家)北隅彩季さん
積極的な姿勢がデジタル化をスムーズに
ご相談を受けたときは、対面授業ができずに困られていたので、できるだけ早くオンライン授業を導入できるようにと考えました。
またパソコンやデジタル化に対して不安を持たれていたので、抵抗感が少なく取り組めるものを提案しようと心がけて説明していきました。
王代表はとても前向きですので、分からないことは何でも質問されて、その後の理解も早かったです。積極的に勉強され、興味を持って取り組まれたので、スムーズに進めることができました。
日本ソフト技研株式会社
住所:本社・九州支店/北九州市戸畑区飛幡町2-2飛幡ビル6階 URL:https://www.nsl.co.jp
事業内容:社会インフラシステムの開発・保守支援、業務用アプリケーションの開発・保守 ほか
中国瀋陽市出身の王代表が15年ほど前に始めた語学教室。当初は王代表が中国語を教え、間もなくネイティブ講師による英語と韓国語、最近はベトナム語も加わった。地域の公民館に出向いて実施する子ども向けの中国語講座や、国際会議などの通訳や翻訳の業務にも対応している。
グローバルオフィスWK/小倉アジア語学教室
代表者:代表・中国語講師 王琨
住 所:北九州市小倉北区浅野3丁目8-1 AIMビル2階 URL:https://reserva.be/globalofficewk/about
動画公開中 DXで変わる!北九州市の企業③小倉アジア語学教室編
このDX推進をサポートしているのが「北九州市ロボット・DX推進センター」
公財)北九州産業学術推進機構 (FAIS)が運営する「北九州市 ロボット・DX推進センター」は、地域の中小企業のニーズに応え、ロボット導入やDX(loTの導入、業務のデジタル化等)推進をワンストップで支援する機関。
導入支援、操作体験、人材育成等の取り組みを通して、ロボット導入やDX推進に意欲のある地域企業を総合的・一元的に伴走支援。
また、集い・つながりの場として、地域企業と高等教育機関、金融機関等との連携を促進し、産学官金のハブとしての機能を果たす。
今回紹介しているDX推進支援においては、専門家を派遣し、Web会議やAI・IoT等、ITツールを取り入れた新しい ビジネススタイルへの転換を図る企業に対して、専門家を派遣し、課題解決を支援している。