事例

「DXで変わる!北九州の企業」シリーズ①(株)住機ハウジング

北九州市の中小企業では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が進む。シリーズ第1回目は住機ハウジングの事例を紹介。

デジタル化で業務の効率化から生産性の向上目指す

 大手ガス会社のグループから独立した「住機ハウジング」。池田雄二社長と山田美由紀さんの2人で、リフォームを主体に住まいのあらゆることに対応する住宅設備の会社だ。
デジタル化に取り組もうと思ったきっかけは、取引先や行政などへの資料提出における電子化という社会全体の流れに直面したことだ。それに対応する解決策としてパソコンやスマホを活用している。

やり方が分からなかったデジタル化

行政の入札・公募情報などをネット検索する池田社長

池田社長はパソコンに触ったこともなかった。顧客対応は電話と訪問で足りていたため、パソコンを使う必要がなかったからだ。パソコンを使用するのは山田さんだったが、経理ソフトの操作や請求書などを
作成する程度。ともに60代後半の2人は「デジタル化は必要だが、やり方が分からない」と思っていた。
しかし、在籍していた社員が高齢のため退職していき、人的能力だけではこなせない状況になった。

パソコンやスマホ活用し課題解決へ

そんな折、山田さんの目に留まったのが、北九州市ロボット・DX推進センターが進める支援事業のチラシ。「これを使わない手はない」と池田社長に相談し、すぐに申し込んだ。
専門家として派遣されたシステム開発会社「リンクソフトウエア」の矢野宏之さんは、まず同社でのパソコンの使用状況を確認し、次の4点を支援した。

❶スマホで撮影したリフォーム現場の画像をパソコンに取り込み、プリンターで印刷する方法
❷Eメールアドレス取得と送受信の方法
❸電子印の作成、使用方法
❹WEB会議ツールの利用方法

矢野さんが分かりやすくまとめた、スマートフォンの画像を印刷する方法

支援を受けたのは、主に山田さん。意欲的で覚えるのも早い。その姿勢に、矢野さんはインターネットでの備品購入なども提案した。

ネットは楽しく、業務の時間短縮に

矢野さんの支援を受けて「ネットが怖くなくなった」と笑みをこぼす山田さん。以前はクリックしてエラーが出るだけで不安になり、入力した部分が消えたりすることもあって、使うのが怖かった。「矢野さんが分からないことは何度でも丁寧に教えてくれました。ネットは便利で楽しいことが分かり、これからは設備機器の注文もオンラインでできるようになりたいし、それ以外にもできることを知りたい」と前向きだ。
池田社長は「現場で撮影した画像を工事担当者にスマートフォンで送ることにより、見積もりがすぐに届くようになったことは進歩です。時間短縮できる分、お客さまに向き合う時間に使いたい」と意欲を燃やす。
さらに業務の進め方を見直し、ネットやデジタル機器の活用を進めることで生産性の向上を目指している。

支援者メッセージ リンクソフトウエア株式会社(センター登録専門家)矢野宏之さん
デジタルに慣れて発想を広げてほしい

 依頼内容を確認して最初に打ち合わせしたときは、パソコンをいかに日々の業務に生かせるかということを話しました。
山田さんはとても意欲があり、毎回お伝えしたことは軽く復習する程度で会得していましたし、覚えるのも早かったです。提案したネットでの備品購入ができるようなったのも、ステップアップしていると感じました。
まずはやってみる、という第一歩が踏み出せたのが大きいですね。もっとデジタルに慣れてくればできることが増えるでしょうし、さらに発想も広がっていくのではと期待しています。

リンクソフトウエア株式会社
住所:北九州市小倉北区吉野町10-30-201 URL:https://www.link-software.co.jp/
事業内容:コンピューターシステムやソフトウェアの開発、ホームページ制作、セミナー運営 ほか

 2021年、大手ガス会社のグループから独立。リフォームを中心に、家の取り壊しなどの相談にも応じる。池田社長はガス消費機器設置工事監督者資格を持つスペシャリスト。現在は女性目線で営業力を発揮する山田美由紀さんとともに、顧客のさまざまなオーダーに応えている。

株式会社 住機ハウジング
代表者:代表取締役 池田雄二
住 所:北九州市小倉北区白銀2丁目10-2-111

 

動画公開中 DXで変わる!北九州市の企業①(株)住機ハウジング編

DX推進をサポートしているのは「北九州市ロボット・DX推進センター」


公財)北九州産業学術推進機構 (FAIS)が運営する「北九州市 ロボット・DX推進センター」は、地域の中小企業のニーズに応え、ロボット導入やDX(loTの導入、業務のデジタル化等)推進をワンストップで支援する機関。

導入支援、操作体験、人材育成等の取り組みを通して、ロボット導入やDX推進に意欲のある地域企業を総合的・一元的に伴走支援。
また、集い・つながりの場として、地域企業と高等教育機関、金融機関等との連携を促進し、産学官金のハブとしての機能を果たす。

今回紹介しているDX推進支援においては、専門家を派遣し、Web会議やAI・IoT等、ITツールを取り入れた新しい ビジネススタイルへの転換を図る企業に対して、専門家を派遣し、課題解決を支援している。

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