北九州市内の先進事例から学ぶDX実践ガイドブック_ドーワテクノス
【北九州市内の中小企業が実践したDXの先進事例を紹介】
経営課題 仕組み・ルール不足令和6年度 北九州DX大賞 凖グランプリ ドーワテクノス
商社からコンサルティングファームへ
きっかけ ●既存業務を部分最適から全体最適へ ●業務の属人化を解消し働き方改革を加速
モノを仕入れて販売する商社から、顧客や社会の課題を解決するコンサルティングファームへと、ビジネスモデルを再構築したいという思いから取り組んだドーワテクノス。 小野裕和代表取締役は「既存業務の全体最適を図り、社内のリソースを新たな価値創出に集中させる経営改革こそ、自社DXの真の目的だ」と考えている。十数年前から、非効率的な既存業務に対して危機感は持っていたものの、現場の負担を考慮し見直しを先送りにしていた。その間も、顧客の要望に合わせた業務のカスタマイズが慣習化し、拠点や顧客ごとにイレギュラーなルールが生まれ、ロスや無駄、トラブルの発生が看過できない状況になった。 そこで、新システム導入を機に、部分最適だった既存業務を抜本的に見直し、全体最適かつ未来志向に基づく業務の標準化・効率化を決断。また、業務の属人化によって、社員のワークライフバランスの実現が妨げられる状況も課題であり、働き方改革を加速させるためにも業務の標準化を推進した。

取組内容 ●DXに向けた基盤づくりとしての業務標準化・効率化 ●全体最適・未来指向へのマインドセット転換
「Fit to Standard」を社内の合言葉として、業務の標準化を徹底することで、属人的になるイレギュラー対応をなくしている。従来は会計と販売管理のシステムが分離し、手作業による煩雑な入力や二度手間が発生していた。 そこで、会計や販売など、企業の基幹業務をまとめて管理し、業務効率化とデータの一元化を図るシステム(ERP)を導入して工数の削減やペーパーレス化を図るなど、業務の効率化も強力に進めている。ERPの標準機能と汎用的な検索機能を活用することで、重要な情報がリアルタイムで見られるよう、「情報の見える化」にも取り組んでいる。業務標準化・効率化に際しては、現場に一時的な負荷が発生したものの、社員一人一人と対話を重ね、全体最適や未来志向の発想で自社を成長させる意義を共有する意識改革(マインドセット)を進めた。

成果・展望 ●業務改善や働き方改革に対する手応え ●AI活用によるさらなる業務効率化
新システムの運用によって業務の標準化や効率化が定着していき、「現場の業務が楽になった」「休暇を取りやすくなった」など社員から改善の手応えが聞かれるようになったと感じている小野代表取締役。DXをきっかけに、従来の業務スタイルは時代に逆行するものだったと客観視できた点も意義深い。全社横ぐし連携して業務改善に取り組むことで社内コミュニケーションが活性化され、社員一人一人に全体最適の思考が身に付き、主体的に行動できる人材が育ちつつある。 また、顧客に対しても新システムに移行する双方の利益を率直に伝えたことで、信頼関係が高まっている。業務効率化によって生まれた時間を次の価値創出へとつなげる取組として、自分たちの強みを磨く活動や、顧客・パートナーと新たな価値を共創する「TSUNAGU FACTORY」での挑戦も活発化している。

「TSUNAGU FACTORY」ではフリーアドレス化を実現

DXに取組んだメンバー
「今後はAIを活用して無駄な工数を削減するほか、業務の負担が集中する部署では自動化を進めるなど業務効率化を徹底させたい」と話す足立裕史デジタル戦略室長。IT専任技術者が不足する中小企業にとってDXはハードルが高かったが、経営改革に重心を置き、実現可能な範囲から段階的に取り組んできたことが、着実な成果につながっている。「Fit to Standard」にこだわり、カスタマイズを排除し標準化したことがコストを抑え、短時間での稼働につながった。小野代表取締役は「北九州市DX推進補助金を活用し、今後はDXに取り組む中小企業が共創し、北九州市域経済に新しい風を起こすべく、一層の改革に励みたい」と意気込む。
経営者のメッセージ 小野 裕和 代表取締役

DXにおいて経営者が持つべきは、経営改革への強い覚悟です。全体最適視点で社員と意識合わせができるように、対話を重ねてきました。現場からの声を聞くことが改革の推進力になると考えています。
現場担当者のメッセージ 足立 裕史 デジタル戦略室長

DXは新しいシステムを導入して終わりではありません。各タスクのリーダーが主体的に判断し、より効果的な業務改善をやり遂げることで、私たちは社会に新しい価値を創出する企業に進化することができます。
1948年、モーターの部品供給や修理、改造で創業。国内に19事業所、タイに現地法人を置き、モーターのリニューアル事業やロボット事業、鉄鋼業向け事業などを手がけ、最近ではSIer業も主力となっている。従業員数199人(2024年12月時点)。
株式会社ドーワテクノス 代 表:小野 裕和 代表取締役
住 所:北九州市八幡西区黒崎城石3-5
ホームページ:https://www.dhowa-technos.co.jp.
※写真は「TSUNAGU FACTORY」
DX推進をサポートする「北九州市ロボット・DX推進センター」

公財)北九州産業学術推進機構 (FAIS)が運営する「北九州市ロボット・DX推進センター」は、地域の中小企業のニーズに応え、ロボット導入やDX(loTの導入、業務のデジタル化等)推進をワンストップで支援する機関。
導入支援、操作体験、人材育成等の取り組みを通して、ロボット導入やDX推進に意欲のある地域企業を総合的・一元的に伴走支援。
また、集い・つながりの場として、地域企業と高等教育機関、金融機関等との連携を促進し、産学官金のハブとしての機能を果たす。
DX推進支援においては、専門家を派遣し、Web会議やAI・IoT等、ITツールを取り入れた新しいビジネススタイルへの転換を図る企業に対して、専門家を派遣し、課題解決を支援している。
北九州市ロボット・DX推進センター
運営 公益財団法人 北九州産業学術推進機構(FAIS)
〒808-0135北九州市若松区ひびきの北8−1 TEL092-695-3090