事例

「DXで変わる!北九州の企業」シリーズ⑧ハゼモト建設

恩塚さん(手前左)にアドバイスを求める櫨本社長(手前右)

DXで進化し続ける建設会社自社開発でさらなる効率化へ

職人集団として1955年に創業、法人化してから既に半世紀を超えるハゼモト建設。「地元で生まれ、地元で育った工務店」ならではの信頼と実績で、新築注文住宅では北九州トップクラスの建設会社として知られている。2代目の櫨本健一代表は、早くからデジタル化を意識。北九州市のDX補助金を活用して、業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」を導入し、現場と内勤の業務効率化を図ってきた。さらなるデジタル化へ向けて、新たな業務アプリの自社開発にチャレンジしている。

社内業務の効率は大きく向上

「kintone」は、マウス操作でもシステムが作れ、クラウドで共有してみんなで使える業務アプリ構築クラウドサービスだ。ハゼモト建設では、この導入によって、手書き・押印の日報が、モバイルでどこからでも入力・修正・承認できるようになり、過去の稼働傾向の分析、資材の在庫状況も明確化。業務効率は大きく向上した。
自社のニーズに沿った形で「kintone」を活用すると、もっと可能性が広がると判断した櫨本代表は、自社開発を見据えて、北九州市ロボット・DX推進センターに相談した。


新築注文住宅では北九州トップクラスの建設会社

専門家の支援でアプリを連携

「kintone」で構築したアプリに蓄積されるデータを同社で利用している建設業向けのクラウド型原価管理システム「どっと原価」に反映させるためには、いったんCSVファイルに出力してインポートしなければならない。人手を介さずにこれを処理できるよう、アプリを連携させる方法を模索していた。
しかし、「kintone」導入時はベンダーに「丸投げ」しながら、多くの要望を出していたためシステムが複雑化。どう扱えばよいのか分からなかった。専門家として派遣された恩塚淳さんは、その状況を踏まえて、下記の内容を中心に支援した。

❶kintone環境へ必要なプラグインの導入支援
❷「どっと原価」API機能の把握
❸アプリ間連携指針、具体的方法についてのディスカッション・指南

ソフトウエアやプログラムの間をつなぐ仕組み(API)による連携へ向けて、まずは要件確認や環境整備を支援。ディスカッションを重ねて調査結果を共有し、基礎技術の習得から試作・動作テストへと段階を踏んでいった。

DXは楽しく働く仕組みづくり

「われわれのレベルに合わせて伴走支援していただき、まるで家庭教師がそばにいてくれるようで助かりました」と櫨本代表。一つ問題が解決すると、「こうなると、もっと便利になるのでは?」という声が社内から上がり、そこにいろいろなアイデアが生まれてくる。壁にぶつかったときには、専門機関や専門家に相談。そうやって、ハゼモト建設はどんどん進化している。
「建築力」をエネルギーとして、DXを進めるとともに今年は就労支援事業もスタート。障がい者と健常者の壁をなくし、より良い働き方、生き方ができる新しい建設業の在り方を模索している。「DXは、一人一人が効率良く、楽しく仕事をするための仕組みづくり」。櫨本代表のチャレンジは続く。


業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」の画面

支援者メッセージ 日本ソフト技研 株式会社(センター登録専門家)恩塚 淳さん
専門知識がなくても自社開発は可能

自社開発を目指されていることを前提に伴走型支援に務めました。最初は要望を聞いた上でサンプル画面をこちらで作り、作り方を説明。そのうち、自分たちでできるところまでサンプル画面を作ってこられ、できなかったことについて説明していくという流れに変わっていきました。
「kintone」などノーコードサービスはプログラミングの知識やスキルがなくてもアプリが開発できます。体験版もありますので、ぜひ試していただきたいですね。
 

日本ソフト技研 株式会社
住所:北九州市戸畑区飛幡町2-2 飛幡ビル6F URL:https://www.nsl.co.jp/
事業内容:業務ソリューション、ITソリューション、コンサルティングサービスほか

1955年、大工や左官を集めた職人集団「櫨本工務店」として創業、65年に法人化。公共工事と住宅事業で実績を積み、省エネルギー高性能の木造注文住宅専門店に進化。SDGs、就労支援事業などの取り組みも含め、新しい建設業の在り方を模索している。
 
ハゼモト建設 株式会社
代表者:代表取締役 櫨本 健一
住 所:北九州市小倉北区片野4-12-10
URL:https://hazemoto-k.co.jp/
 

 

動画公開中 DXで変わる!北九州市の企業⑧ハゼモト建設

このDX推進をサポートしているのが「北九州市ロボット・DX推進センター」

公財)北九州産業学術推進機構 (FAIS)が運営する「北九州市ロボット・DX推進センター」は、地域の中小企業のニーズに応え、ロボット導入やDX(loTの導入、業務のデジタル化等)推進をワンストップで支援する機関。

導入支援、操作体験、人材育成等の取り組みを通して、ロボット導入やDX推進に意欲のある地域企業を総合的・一元的に伴走支援。
また、集い・つながりの場として、地域企業と高等教育機関、金融機関等との連携を促進し、産学官金のハブとしての機能を果たす。

今回紹介しているDX推進支援においては、専門家を派遣し、Web会議やAIIoT等、ITツールを取り入れた新しい
ビジネススタイルへの転換を図る企業に対して、専門家を派遣し、課題解決を支援している。

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北九州市ロボット・DX推進センター
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