「DXで変わる!北九州の企業」シリーズ④ChikuChiku
白石さん(左)にタブレット型レジシステムの活用方法を聞く鬼丸さん。
タブレット型レジシステム導入で業務軽減とペーパーレス化を実現
リバーウォーク北九州1階の大人気店舗「ChikuChiku(チクチク)」は、九州初上陸のクリエーターの作品をメインに扱う雑貨店だ。代表の鬼丸智子さんが「DXを進めよう」と思い立ったのは、13年前の開店当初から使い続けているレジの故障が増え、使いづらくなってきたからだった。
「変える」ことへの不安は大きかったが、思い切って北九州市ロボット・DX推進センターに相談し、タブレット型レジを導入。スタッフの負担軽減、業務効率化の効果は大きく、ペーパーレス化にもつながり、DXの力を実感している。
未知の世界「DX」に飛び込む
鬼丸さんにとってITやDXは「未知の世界」だった。しかし、古いレジの不具合が多発し、既にタブレット型レジを導入した知人の「便利で使いやすい」という話からも更新の必要性を痛感。また、顧客から「レシートはいらない」と言われることが多いにもかかわらず、クレジットやキャッシュレス決済の際にレシートが二重に出てくる無駄も気になっていた。
タブレット型レジの導入とペーパーレス化を実現したいと思い、「北九州」「DX」で検索したところ、中小企業でも成功している事例があることを知った。そこで、思い切って北九州市ロボット・DX推進センターに連絡してみた。
誰でもすぐ簡単に使えるシステムへ
店舗スタッフの年齢は10~60代と幅広く、誰でもすぐ簡単に使えるツールを望んでいた。また、大型複合商業施設のテナントのため、現金決済分の売り上げは毎日報告するといった商業施設内店舗ならではの要件を満たすことが必要だった。
専門家として派遣された「夢をかなえる研究所」の白石有さんは、これらを考慮した上で、次の3点を支援した。
❶タブレット型レジシステムの情報提供と選定支援 |
❷タブレット型レジシステムの導入で活用できる補助金情報の提供 |
❸補助金申請の支援 |
さまざまなシステムを紹介されても「料金や特徴の違いが分からない」と途方に暮れる鬼丸さんに対して、白石さんは比較しやすいよう一覧表を作って分かりやすく説明。まず不安を解消して、自分たちにとって最も使いやすいシステムを選択できるように道筋をつくった。
履歴が一目瞭然、消費者にも好評
「分からないことだらけで、専門家からどう言われるか怖かったけれど、白石さんが心解きほぐしてくれて安心できました」と鬼丸さんは振り返る。最初は少し戸惑ったスタッフも、すぐに慣れて今ではスムーズに使いこなしている。
一点物の商品が多く商品登録などを懸念していたが、手入力で行える項目もありデジタルに助けられた。また見やすく、確認や取り消しもしやすく、レジ締めの時間は圧倒的に短縮された。「買い物履歴が分かりやすい」と購入者にも好評だ。不要なレシートは印刷せずに済み、ペーパーレス化も進んだ。
アナログな店舗運営から大きな飛躍を遂げたChikuChiku。「私たちのニーズを引き出してもらえ、提案いただいたから実現したこと。専門機関を頼って本当に良かった」と支援に感謝する鬼丸さんは、「デジタルに苦手意識を抱いている人たちこそ、ぜひ、相談してみるといいですよ」と呼びかけている。
支援者メッセージ 株式会社夢をかなえる研究所(センター登録専門家)白石 有さん
身の周りの小さな気付きをDXで改善
DXというと、すごいシステムを導入して革新的なことをやらなくてはと身構えがちですが、身の周りの小さな気付きが改善につながることもあります。
鬼丸さんの場合が、まさにその例。「昔ながらのレジを更新したい」「レシートを持って行かない客も多く、紙ももったいない」という気付きの相談を受け改善できました。決して身構えることなく、「これがこうなるといいのになぁ」という、ささいなことを相談いただけたらと思います。
株式会社夢をかなえる研究所
住所:北九州市小倉北区砂津2-6-19 URL:https://www.kanaeruken.com/
事業内容:企業研修、キャリア相談、ITスクールほか
九州初上陸のクリエーターの作品をメインにした雑貨や子供服のショップ。ここにしかない一点物を多数そろえ、北九州の人たちに新しい出合いとわくわく感を届けるのがテーマ。「ハンドメイドの作家たちを応援したい」と、出店クリエーターを随時募集している。
ChikuChiku
代表者:鬼丸 智子
住 所:北九州市小倉北区室町1-1-1リバーウォーク北九州1階
URL:https://www.instagram.com/chikuchiku.zakka.wear/
動画公開中 DXで変わる!北九州市の企業④ChikuChiku
このDX推進をサポートしているのが「北九州市ロボット・DX推進センター」
公財)北九州産業学術推進機構 (FAIS)が運営する「北九州市ロボット・DX推進センター」は、地域の中小企業のニーズに応え、ロボット導入やDX(loTの導入、業務のデジタル化等)推進をワンストップで支援する機関。
導入支援、操作体験、人材育成等の取り組みを通して、ロボット導入やDX推進に意欲のある地域企業を総合的・一元的に伴走支援。
また、集い・つながりの場として、地域企業と高等教育機関、金融機関等との連携を促進し、産学官金のハブとしての機能を果たす。
今回紹介しているDX推進支援においては、専門家を派遣し、Web会議やAI・IoT等、ITツールを取り入れた新しい
ビジネススタイルへの転換を図る企業に対して、専門家を派遣し、課題解決を支援している。